本質と編集力が、何であるかを「プログラミング的思考」で解説します。

編集作業とは、 まさに余分なものを省き、又は排除する「繰り返し」によって、大切な価値を取り出す作業といえます。

問題の「本質」を炙り出す力を「編集力」としたときにその能力をあげるノウハウについて「プログラミング的思考」を使って解説してみます。

プログラミング的思考の目的は「繰り返し」て行われる内容を自ら発見し、計画を実現する為の仕組みを一般化し再現できるようにすることです。

今回のテーマである編集力を一般化して定義しますと「余分なもの」を繰り返し取り除き、最後にでてきたものを「本質」と言えるまで絞り上げることと言えます。

ミケランジェロの有名な言葉にも「私は大理石の中に天使を見た。石を削ってそれを解き放った」というものがありますが、正しく編集を象徴的に表現しているように思います。

プログラミングは、F(x)関数を自分で定義していきますが、このF()こそが、編集力と言い換えられます。

つまり F(x)=「絞り出された本質」になる為には、本質を絞りだす為に「取り除く」という関数、つまり編集力が必要となります。また、()中のxには x=「余分なもの」を入れます。この様にプログラムミングとは目的の為に、自ら仕組みを定義していくことといえます。

そしてこのF(x)=本質の場合は、人生(F(X))とすると、人生(本質)と定義され、即ち、自分の人生から余分なものを取り除いて絞り込んでいったとき「自分にとっての○○」がでてくるということになります。

自分の○○は、抑制するものであり、「哲学」「劣等感」「自立心」「不安」「危機感」ということになります。

つまり、人間の本質は 、フランスの哲学者パスカルの言葉「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である」にある「考える葦」 に行きつくことになりそうです。

本質の鍵 : 抑制

本質とは「抑制」することです。そして抑制することで目的が「拡大」される仕組みのことを指します。その仕組みが下図にある車の「ブレーキ」(抑制)機能であり、スピードをいつでも抑制できることが、車の安全性を「拡張」させることになります。

株式会社資産工学研究所 代表取締役 坂本善博氏
https://jp.fujitsu.com/platform/server/advantages/special/school/

本質と編集力を磨く方法

1)削除  : 最も重要なもの以外思い切って減らす

2)凝縮  : 絞り抜か れた美しい身体のように絞り込む

3)再構築 : 習慣的な情報や思考にメスを入れる

4)抑制  : 作品(人生)に手を入れすぎない

5)トヨタ流の「なぜを5回繰り返す」

6)6W2H(Why,What,Who,Where,When,How,How much)の中の Whyで「What,Who,Where,When,How,How much 」の5W2Hの全てに対して突き詰めていく

7)人としては「面倒くさい奴」になることを恐れずに、曖昧な質問を明確にすることを追求していく

PDCAでいうと編集作業はPに対するDCAの「繰り返し」を指します

  • (0) V(vision) 将来の構想、洞察力
  • (1) P(PLAN)  Vの為の具体的な計画、目標
  • (2) D(DO)  Pの為に正確なデータを幅広く集める
  • (3) C(CHECK) Dを徹底的に細かく分析する
  • (4) A(ACTION) Cを簡単明瞭な文章、言葉で表現する

なぜ今、編集力がとわれるか

人生そのもが編集だと言われています。非常に多くの判断を毎日迫られて生きるなかで、アクセスできる情報が多すぎる現代に動物的な危険を感じさせるからかもしれません。

どうでも良い瑣末なことに時間が奪われ、情報のなかに埋もれている自分に対して、正しい1歩を踏みだせない「危機感」からくるものかもしれません。

また別の視点から言えば、企画を立てるために最も重要な素質は、「連想能力」だと言われ ます。

例えばファッションの世界では即完売すると「〇〇効果」とよばれますが、この効果を生むために「抑制」し「取り除いたもの」が本質であり 編集と言えます。

縦横無尽に拡張された情報の網の面に対して高さ(象徴)を与えることが「編集された情報」であり、その凝縮された情報がまた第2波を発生させ○○効果を最大化させるのだと言えます。

情報編集力が必要な時代ー藤原和博氏

藤原氏の講演での研ぎ澄まされた言葉の1つに「3つの三角形」というものがあります。これは希少性のあるキャリアは1/100万まで高めることが、スキルを掛け合わせることでだれでも実現できるという内容です。

  • 1万時間繰り返す(10年間)し100人に1人の人材となる
  • もう一度1万時間繰り返し100人に1人の人材となる
  • 最後の1歩は今までとは異質な一歩に踏み出す

正にオリンピックメダリスト級の100万人に1人という確率にまで誰でも高めることができるという現実味と説得力を感じます。

この説得力こそ「情報編集力」の極みと言えそうです。

従来のものを正解を早く正確に言い当てる「情報処理力偏重」の時代から 「情報編集力」の実装が重要になってきたということです。

例えば、講演の中にでてくる「高級ホテルに黒いトイレットペーパーを導入したホテルが凄い高級感を出してヒットした」というような事例や 1年間で4億本以上売れる 「ガリガリ君」のもともとの発想が「片手で食べられるかき氷」など、ビジョンの為に余分なものを取り除いて考えること、即ち、編集力の成果物と言えそうです。

黒いトイレットペーパーは1818年創業の歴史あるRenova社製の高級品が「3枚重ね仕様。皮膚科学、婦人科学テストも実施した、体に優しく、また生分解可能な地球にも優しい製品」という逸品に加えてラグジュアリーな香りつきという、トイレに設置するだけで「セレブな気分が満載になる」というビジョンでつくられました。

06年にはアメリカに上陸 、日本にも2009年から高級ホテルに採用されて大人気という事です。

何がこれだけ発信力をもったかということですが、「①高級ホテル②老舗のメーカー信用③世界常識の白いペーパー 」で囲まれたイメージの三角形に「常識外の高品質な黒いトイレットペーパー」という編集力(象徴)が深い衝撃で 口コミ(波)により伝染病のように拡大させたと説明できます。

商売で「儲ける」ためには、字の如く「信者」を作ることであり、もうけは後。最初に信用を創造して蓄積することが大事だという証でもある事例です。

編集ネタを貯蓄する方法とは

1) 自慢話でなく失敗談を自分に蓄積する

2)共通点を探して脳をつなげ相手の世界観を探り出す。

3)病気の話も自己開示のネタとする

3点の中には個人の人生を要約した凝縮した訴求力があり、つまりその人の生き方が編集されていて相互理解力が高くなります。

長谷川リョー( 『10年後の仕事図鑑』<堀江貴文、落合陽一共著>の構成担当者)さんの生き方のPDCAとその本質

本質的な考え方

1)どれだけ一生懸命働いても会社にレピュテーションが吸収されてしまう恐れがあるので、「自分の名前で仕事がしたい」気質がある人は、企業名に惑わされず就職活動をする ことが大事。

2)他人は他人にそれほど興味がない

3)学生は信じられるものを1つでも創ることが大事。例えば「毎日一個ブログを書く」ことは強靭な精神力が付き“人生に楔を刺す”ことができる。

4)チャレンジと成功を繰り返すことが「モメンタム」を生み、また次のモメンタムが舞い込んでくる。 この繰り返し。

長谷川リョ ーさんの人生を編集するPDCA

P(PLAN) 

人生の基本原理は「だれもが1回目の人生を生きている」ので誰かのアドバイスを信じたりしない

D(DO)

レピュテーション(=自分への評判)を蓄積しながら動くことを意識する

C(CHECK)

「レピュテーションを測る指標」はSNSのフォロワー数に惑わされないで、 市場を種類やスタイルまで切り分けて高解像でみていく

A(ACTION)

「客観的にみて適性がある」とは、任天堂の元社長・岩田聡さんの言葉で「 労力の割に周りが認めてくれること」 に最大限集中し、 チャレンジと成功を繰り返すことが「モメンタム」を生み、また次のモメンタムが舞い込んでくるというactionを繰り返す