大人が考える「プログラミング的思考」とは、プログラムを書く事ではなく、自分の目的を論理的に達成する為の手順を考える事

文部科学省:小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について

平成28年6月16日:小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議 / 小学校で2020年からの導入
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1. 今後の教育での重要な3点
2. プログラミング的思考の中身
3. 社会人になった時との関係
4. 将来予測
5. 人口知能AIの学習過程とは
6. 人間の強みとは
7. プログラミング的学習の意義とは
8. 今後の情報技術の進展のポイント
9. これから求められる資質
10.段階的な知識・技能の習得
11.中学校及び高等学校
12.導入の為の総合的な学習の時間
13.教科ごとの例

【1.今後の教育での重要な3点】

誤解:コーディング(プログラミング言語を用いた記述方法)を覚えることではない

目的:コンピュータに意図した処理を行うような手順を考える事で、普遍的に求められる「考える力」を養う

前提:プログラミング教育を実施する前提として、言語能力の育成を重要視する

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【2.プログラミング的思考の具体的中身】

①目標(問題):自分の意図した内容を達成させる

②論理的に課題を把握する

・目標(問題)を分解(小さく分けて考える)
・目標(問題)を抽象化(共通する性質や要素を見出す)
・目標(問題)を一般化(パターン化にまとめる)

③目標(問題)達成の為に考え(記号)を組み合わせる

・上から下へ順番に行う
・同じ内容を繰り返す
・条件や場合によって指示を変更する

④実施する中で上手く行かない課題(問題)を発見する

⑤②~④を繰り返し考える

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【3.プログラミング的思考と社会人との関係】

小学生に導入されるプログラミング的思考の中の「目標」を「会社の利益」に変えれば、会社の管理職が行っている仕事そのもと言えます。

〈会社での改善をしていく例〉

①目標:利益1億円
②課題の把握
・A事業部が赤字⇒その事業部の中でPとQ商品の販売が不調
・P商品とQ商品の不調の共通点は欠品クレームが多い事にある
・欠品の多くでるパターンは昼間の12時から16時に集中している
③対策:A事業部の販売不振要因を除外する
・当面、PとQの代わりにRとSとしたら欠品が減少した
・当面RとSの商品販売を全国で展開する
・全国の中でPとQの商品が有利なエリアには16時以降に生産したものを納品する
④③の中での不具合を発見する
⑤②~④を繰り返し改善する

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【4.将来予測】

①今後10年~20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い(マイケル・オズボーン氏(オックスフォード大学准教授))

子供たちの65%は将来、今は存在していない職業に就く(キャシー・デビッドソン氏(ニューヨーク市立大学大学院センター教授)

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【5.人口知能AIの学習過程とは】

①人間が物事を認識して理解していく学習の過程を模した「深層学習」が基本

②大量のデータから「共通する特徴」を自らAIが見いだし、「概念的なもの」を獲得する

③それを更に「未知のデータにも当てはめていく」過程

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【6.人間の強みとは】

①感性を豊かに働かせながら、未来社会や人生をよりよいものにする目的を自ら考え出す

②多様な文脈が複雑に入り交じった環境の中でも、場面や状況を理解して自ら目的を設定できる。

③その目的に応じて必要な情報を見いだし、情報を基に深く理解して考えをまとめ、相手にふさわしい表現を工夫する

答えのない課題に対して、多様な他者と協働しながら目的に応じた納得解を見いだしたりすることができる。

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【7.プログラミング的学習の意義とは】

①身近なものとなっている情報技術を、受け身で捉えるのではなく、「手段として効果的に活用」する。

②「何を学ぶのか」という学習内容に加えて、それを「どのように学ぶのか」という学習過程への新たな視点を与える。

④「主体的・対話的で深い学び」を実現するというアクティブ・ラーニングの視点を位置付ける

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【8.今後の情報技術の進展のポイント】

①多様で大量の情報を収集、整理・分析、まとめ表現し、かつ、カスタマイズが容易であること

②観察・実験したデータなどを入力し、図やグラフ等を作成することを試行錯誤しながら繰り返し行える。

③発表内容を効果的にまとめて共有したり、個々の子供の学習ニーズに応じた学習内容を組み立てたりできる。

④時間的・空間的制約を超えて児童生徒の思考の過程や結果を可視化したり、学習過程を記録したりできる。

⑤教室やグループでの大勢の考えを距離を問わずに瞬時に共有や交流が双方向にできる。

⑥こうした特性や強みを学校教育の中で効果的に生かすことで「主体的・対話的で深い学び」の実現できる。

個々の能力や特性に応じた学びの実現ができ、かつ、離島や過疎地等の地理的環境でも教育の質の確保ができる。

アナログかデジタルかを対立的に捉えずに、「次世代の学校」の環境整備と「新しい教育課程」の在り方が議論できる。

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【9.これから求められる資質】

①情報技術を活用し、様々な事象を情報とその結びつきとして捉えて問題を自ら発見・解決する読解力。

②言語能力を構成する「テクスト(情報)を理解する」力や「文章や発話により表現する」力。

情報と情報の関係性を論理的に捉え構造化する力。

意図する処理がどのようにすればコンピュータを介して現実世界に働きかけることができるのかを考える力。

その一連の活動を実現するための記号を、どのように組み合わせ改善するかを論理的に考えていく力。

⑥特定のコーディングを学ぶことではなく、将来の情報技術の在り方が変化しても普遍的に求められる「プログラミング的思考」

⑦アナログ感覚を大事する事に加えて「プログラミング的思考」の育成により各教科等における思考の論理性も明確にしていく。

資質・能力の三つの柱

(1)何を理解しているか、何ができるか(知識・技能)

(2)理解していること、できることをどう使うか
(思考力・判断力・表現力)

(3)どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか
(学びに向かう力、人間性等)

⑨自動販売機やロボット掃除機など、身近な生活の中で意識せずとも、様々なものに内蔵されたコンピュータとプログラミングの働きの恩恵を受けている。

⑩子供たちが、便利さの裏側でどのような仕組みが機能しているのかについて思いを巡らせ、便利な機械が「魔法の箱」ではなく、プログラミングを通じて人間の意図した処理を行わせることができるものであり、人間の叡智が生み出したものであることを理解できるようにすることは、時代の要請として受け止めていく必要がある。

⑪ここ十~数十年の間において、プログラミング言語が果たす役割が大きく変わるわけではないが、将来的には、私たちが日常的に用いる自然言語で論理的に書いたり話したりすることで、コンピュータに指示できるようになるのではないか、との予測もある。

⑫ 仮にそのような時代になったとしても、社会でコンピュータが果たす役割を理解しながら、「プログラミング的思考」を発揮し、その時代の情報技術を効果的に活用して問題を発見・解決していくことの重要性は変わらないものと考えられる。

⑬子供たちには、コンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら、時代を超えて必要となる資質・能力を、発達の段階に即して身に付けていくことが求められる。

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【10.段階的な知識・技能の習得】

(小学校)
・身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の
解決には必要な手順があることに気付くこと。

(中学校)
・社会におけるコンピュータの役割や影響を理解するとともに、
簡単なプログラムを作成できるようにすること。

(高校)
・コンピュータの働きを科学的に理解するとともに、
実際の問題解決にコンピュータを活用できるようにすること。

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【11.中学校及び高等学校】

・抽象的思考の発達に応じて、構造化された内容を体系的に
教科学習として学んでいくこととなる。
①中学校では技術・家庭科において
②高等学校では情報科において

〈今後の視点〉

中学校及び高等学校におけるプログラミング教育の充実を検討。

〈具体的内容〉

・中学校技術・家庭科技術分野の「情報に関する技術」において、計測・制御に関するプログラミングだけではなく、コンテンツに関するプログラミングを指導内容に盛り込むことによって、プログラミングに関する内容を倍増させること

・高等学校情報科に共通必履修科目を新設し、全ての高校生がプログラミングを問題解決に活用することを学べるようにすることを検討。

プログラミング教育を教育課程全体を見渡した教科横断的な取組が実施されるよう、各学校の「カリキュラム・マネジメント」が明確に位置付けられる方向で検討。

・こうした全ての小学校を念頭に置いた実施に加えて、地域の特性等に応じて、研究開発学校や調査研究校、民間企業やNPOによる各種事業の実施校等におけるプログラミング教育を重点的に進めていく取組も、併せて推進し、その成果を広く普及していく。

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【12.導入の為の総合的な学習の時間】

・自分の暮らしとプログラミングとの関係を考え、プログラミングを体験しながらそのよさに気付く学びを取り入れていくことなどが考えられる。

・実施に当たっては、プログラミングを体験することが、総合的な学習の時間における学びの本質である探究的な学習として位置付けるようにする。

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【13.教科ごとの例】

〈理科〉

・電気の性質や働きを利用した道具があることをとらえる学習を行う際、プログラミングを体験しながら、エネルギーを効果的に利用するために、様々な電気製品にはプログラムが活用され条件に応じて動作していることに気付く学習を取り入れていくことが考えられる。

〈算数〉

・小学校で筆算を学習するということは、計算の手続を一つ一つのステップに分解し、記憶し反復し、それぞれの過程を確実にこなしていくということであり、これは、プログラミングの一つ一つの要素に対応する。つまり、筆算の学習は、プログラミング的思考の素地(そじ)を体験していることであり、プログラミングを用いずに計算を行うことが、プログラミング的思考につながっていく。

〈音楽〉

・例えば、音楽づくりの活動において、創作用のICTツールを活用しながら、与えられた条件を基に、音の長さや音の高さの組合せなどを試行錯誤し、つくる過程を楽しみながら見通しを持ってまとまりのある音楽をつくることや、音長、音高、強弱、速度などの指示とプログラムの要素の共通性など、音を音楽へと構成することとプログラミング的思考の関係に気付くようにすること、また、デジタルによる演奏と生の演奏から感じる違いなどに気付くようにすることなども考えられる。

〈図画工作〉

・図画工作科においては、子供たちが材料の形や色、質感、性質などの特徴を捉えたり、イメージを持ったりしながら、豊かに発想や構想し造形的に表すことが極めて重要である。例えば、そのような学習過程において表現しているものを動かしてみることにより、新たな発想や構想を生み出したり、異なる視点からよさや美しさを感じ取ったりすることができるよう、プログラミング教育を実施していくことが考えられる。

〈特別活動〉

・子供たちが自分の興味・関心に応じて活動を選択し自主的・実践的な活動を行うクラブ活動において、例えば、既存のクラブ活動にプログラミングを体験する学習を取り入れたり、子供の姿や学校・地域の実情等に応じて、プログラミングに関するクラブ活動を運営・実施できるようにしたりしていくことなどが考えられる。

・より効果的なプログラミング教育の実施のためには、既存の指導体制では対応が困難な場合があることから、担当教員の追加配置や専門人材の参画を含めた指導体制の充実を、「チームとしての学校」の在り方などを踏まえつつ検討することが重要である。

・ 加えて、意欲ある子供たちが学習の成果を実感しながら学んでいくことができるよう、小学生を対象とした全国規模の各種大会等が開催されていくことも期待される。

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