第4次産業革命技術がもたらす変化―「Society 5.0」の要約

第4次産業革命技術がもたらす変化

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世界では、ICT 機器の爆発的な普及や、AI、ビッグデータ、IoT 等の社会実 装が進む中、そこに世界的に資金が次々と流れ込んでいる

また、デジタル新時代の価値の源泉である「データ」や、データと新しいア イデアを駆使して新たな付加価値を創出する「人材」を巡る国際的な争奪戦が 繰り広げられている

一方、一部の企業や国がデータの囲い込みや独占を図る 「データ覇権主義」、寡占化により、経済社会システムの健全な発展が阻害さ れる懸念も指摘されている。

こうした中、日本は、革新や新ビジネ スの創出に戦略的かつスピード感を持って活用できているとは言い難い

日本は、世 界に先駆けて人口減少に直面することから、他国に比べ、失業問題といった社 会的摩擦を引き起こすことなく AI やロボットなどの新技術を社会の中に取り 込むことができるという点で優位な立ち位置にさえある。

過去の成功体験 にとらわれた内向き志向や自前主義から 180 度転換し、既存の組織や産業の枠 を越えて、社会変革を飛躍的に進めることが不可欠である。

(1)「生活」「産業」が変わる

  • 自動化:移動・物流革命による人手不足・移動弱者の解消
  • 遠隔・リアルタイム化:地理的・時間的制約の克服による新サービス創出

AI やロボットによって、人手不足 に直面する現場の効率化につながり、過度な業務負担も大幅に軽減され る。

自動翻訳によるコミュニケーションの進化(「言語間の移動」)は、これ まで大きなハードルであった言葉の壁をバイパスすることができる可能性 を秘めている。

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このように AI やロボットがもたらす自動化・効率化、代替力によって、 人間の活動の重点は、五感をフルに活用した頭脳労働や、チームワークの下 で互いに知恵を出し合うコミュニケーションなどにシフトしていくことと なる。

これまで地理的な制約で 提供することができなかった新しいサービスの提供が可能になる。

例えば、 交通の便が悪い地方の住民や子育てに忙しい都市部の住民が、大きなコスト を払うことなく必要な医療や教育のサービスの提供を受けることができる。

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わざわざ商店やコンビニエンスストアに買い物に行かなくてもスマホの アプリで商品を注文し、これをタイムリーに受け取ることが可能となる。

また、「条件不利地」とされていた地域で生活する人達も、地域外の企業 に就職しなくても世界中の人々を顧客にすることが可能になり、例えば、自 然 溢 あ ふ れる島に住みながら個性豊かな「商品」や「サービス」を提供するビ ジネスが可能になるなど、全ての者に対して活躍のチャンスを生み出すこと が可能になる。

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(2)経済活動の「糧」が変わる

20 世紀までの経済活動の代表的な基盤は、安定的な「エネルギー」と「フ ァイナンス」の供給。

天然資源の乏しい日本にとって、エネルギー供給は日 本経済の潜在的な「弱み」であった。

また、金融面でも、日本は世界的な競 争から遅れを取っているのが現状である。

こうした「弱み」を、ブロックチェーン技術等を活用した集中から分散型 によるセキュリティの確保や、新しい決済手法、スマートエネルギーマネジ メントなど、最新の技術革新を取り入れることにより、国際競争で互角に戦 える「強み」に変えることが可能となる。

さらに、21 世紀のデータ駆動型社会では、経済活動の最も重要な「糧」 は、良質、最新で豊富な「リアルデータ」。

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例えば、個人の健康状態に応じた健康・医療・介護サービスや、時間や季 節の変化に応じた消費者のニーズの変化を的確に捉えた商品、農産品の提供 などが可能となる。

ものづくり、医療、輸送など、現場にあるリアルデータ の豊富さは、日本の最大の強みであり、サイバーセキュリティ対策に万全を 期しながらそのデータ利活用基盤を世界に先駆けて整備することにより、新 デジタル革命時代のフロントランナーとなることを目指す。

(3)「行政」「インフラ」が変わる

旧態依 然としたアナログ行政から決別し、行政のあらゆるサービスを最初から最後 までデジタルで完結させる原則(「紙」から「データ」へ)の下、公的個人認 証システムの普及と利便性向上により、様々なライフイベントや事業活動を 巡る行政手続等において、国民や企業が直面する時間・手間やコストを大幅 に軽減する。

さらに、港湾、空港、道路、上下水道などのインフラ管理でも、民間活力 (PPP/PFI 等)や技術革新の徹底活用を図ることにより、設置及びメンテナン スのコストの劇的な改善がなされるのみならず、インフラの質の抜本的な向 上が実現する。

(4)「地域」「コミュニティ」「中小企業」が変わる

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自動走行を含めた便利な移動・物流サービス、オンライン医療や IoT を活用 した見守りサービスなどにより、人口減少下の地域でも、高齢者も含め利便性 の高い生活を実現し、地域コミュニティの活力を高める。

またデータ連携や IoT、3D プリンター等を活用して、顧客の多様なニーズに対応 する多品種少量生産等が可能となり、高い現場力を有し、小回りの利く中小企 業ならではの新たな市場獲得のチャンスが生まれる。

豊富なデータと、5G 等の高速大容量の通信回線などの活用により、地域で も日本中・世界中の知識集約型の企業や大学・研究機関とコラボレーションが 可能となり、町工場も世界とつながり、地域発のイノベーションと付加価値の 高い雇用の場が拡大する。

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また、AI、IoT、ロボッ トの活用によるバリューチェーン全体の高付加価値化により、「稼げる」農林 水産業が、若者にとって魅力ある雇用の場を提供する

(5)「人材」が変わる

第4次産業革命の技術革新により、人間がこれまで行ってきた単純作業や反復継続的な作業は AI、ロボット等が肩代わりし、3K 現場は激減する。

そうし た中、「人生 100 年時代」にふさわしい多様なリカレント教育と、デジタル技 術を活用した個別化学習、遠隔教育などを通じ、AI 時代に対応できる能力を 身につけることにより、キャリアアップした仕事を選択するチャンスが与えられる。

女性、高齢者、障害者、外国人材等が活躍できる場を飛躍的に広げ、ICT の普及・進化により、テレワーク、 クラウドソーシング、副業・兼業など、従来の「正社員」とは異なる柔軟で多 様なワークスタイルを拡大させる。

これらを通じた労働生産性の向上は、余暇の活用など生活の質の向上、 望ましいワーク・ライフ・バランスの選択、さらに学び直しの時間も含めた「人 生の再設計」を可能としていく。