「ヤバイ集中力」の補足

ヤバイ集中力/鈴木祐(著)/SBクリエイティブ株

注意散漫に悩んだ巨匠たち

巨匠1/レオナルド・ダ・ヴィンチ

「万能の人」と呼ばれたレオナルド・ダ・ヴィンチは、生涯で1万ページ以上の手相を 残したことで知られますが、実際に完成までこぎつけた作品の総数 20を超えません。

エピソード

  • 少し絵を描き進めたかと思えば、すぐ手近の ノートに無関係な落書きを始め、また我に返っては絵筆を握りなおすのが普通でした。
  • その為、作業は遅れに遅れ、あの「モナリザ」などは完成にまで16年を要した。

巨匠2/ フランツ・カフカ

エピソード

  • 小説の執筆中に何度も恋人の手紙に気を 取られ、ほとんどの作品を完成させられなかったフランツ・カフカ。

巨匠3/ ヴァージニア・ウ ルフ

エピソード

  • 電話のベルに集中 を乱され続け、「あの音が脳の中身を食い尽くす」と日記に記した

注意散漫でない巨匠たち

次に注意散漫な巨匠たちがいる一方で、非常に高い集中力をコンスタントに維持し、膨大な量のアウトプット をした巨匠をご紹介します。

  • 生涯に約1万3500点の油絵と素描を制作したパブロ・ピカソ
  • 1 500本以上もの論文を発表した数学者ポール・エルデシュ
  • 1093件の特許を取得 したトーマス・エジソ

獣(本能)は調教師(理性)を圧倒する理由

  • 本能は「並列処理」で調教師は「直列処理」
  • 本能は600万年前までの猿の能力であり、人類の理性は30万年で96.7%は完全な獣の支配下にあった
  • 本能は具体的で単純なことを好み、理性は抽象的な「難しい」思考ができる
  • 本能の消費エネルギーは小さいが、理性は非常に大きなエネルギーは消費する
  • 現在も人類は獣の支配にあり意識は瞬間に並列処理である「単純で具体的な事」に奪われることは 遺伝的に組み込まれてい事は、動物的には避けられない現実といえます。何故なら危険回避が必要な「いざという時」の為に「エネルギーを保存」しておく必要があるからです。

獣(本能)は調教師(理性)を圧倒することの具体的例

獣の特性:「あらゆる刺激に反応する」


ヒトの脳が誘惑に弱いのは、お菓子やス マホといった身近な要因だけにとどまりません。私たちは気づかぬうちに無数の小さな刺激にさらされており、ある推計によれば、1 秒のあいだに脳が受け取る情報の量は1100万件を超えます

遠くからかすか に聞こえる車のエンジン音、モニタのドット欠け、2時間前に来た非通知電話の記憶、 不愉快な腰の痛みなどなど、人間の頭はつねに膨大な数の情報を浴び続けているのです。


これらの刺激は、目の前のタスクに集中できているあいだは問題になりませんが、ふ と注意がそれた瞬間に無意識下から獣の注意を引きます。

ヤバイ集中力/鈴木祐(著)/SBクリエイティブ株式会社

調教師(理性) が獣(本能)を調教する有力な方法

2011年20歳のイギリス人の男性がコンピュターゲームのプレイ中 に意識を失いそのまま命を落としまいした。また2015年ロシアでも22日間休まずゲームをし続けた少年が突然死をしています。

死に至らしめるまでの病的な魅力をゲームが持ち得たのは、クリエイターたちが「報酬をいかに提示す るか?」の問題を徹底的に掘り下げたからです。

世の中に、ごほうび、が嫌いな人間は少ないでしょう。昇進で給料が上がったり、人 事評価で良い言葉をもらったり、趣味のイベントで賞を受けたりと、自分の行動が報わ れるのはなんでもうれしいものです。

しかし、カジノが進化する過程でクリエイターたちが行きついた最大の結論は、「本 当に大事なのは報酬そのものではない」ということでした。

カジノ、競馬、宝くじなど、大半のギャンブルでは期待値がマイナスになります。短 期的には大当たりを引くことがあっても、最後には大数の法則が働くため、どのような プレイヤーでも敗北はまぬがれません。

それでもギャンブルにのめり込む人が後を絶たないのは、報酬それ自体に魅力がある からではなく、「報酬の出し方」がうまいからに他なりません。

スロットマシンがプレイ ヤーを虜にする手法はいくつもありますが、もっとも獣への影響が大きいのは「ニアミ ス演出」と「スピード感」の2つです。

ニアミス演出は、プレイヤーに「あと少しで絵柄がそろうところだった!」と思わせ、 モチベーションを引き出す手法です。

スリーセブンまであと一歩のところで3枚目の7 が出ない現象は、ギャンブラーならおなじみでしょう。 「その効果には多くの実証データがあり、ニアミスの発生率を高く設定したマシンを使 うと、ひとりあたりのプレイ時間は0~3%ほど延びます。

ギャンブラーを対象にした 実験によれば、ニアミス演出を目撃したプレイヤーの脳は、大当たりを引いた勝者とほ ぼ同じレベルの興奮度を示したそうです。 . もうひとつ「スピード感」も獣をかき立てる重要な要素です。
指示を出すプログラムが備わりました。成果の種類や多寡にはかかわらず、とに かく「報酬の予感」にすばやく反応する無意識のシステムです。

つまり最大のポイントは、「報酬の予感」を自己の管理下に置けるかどう かです。

カジノやゲームのように他人の手で「報酬の予感」を操られるのではなく、あ なたが獣のコントロール権を握るのです。

そのための細かなテクニックは無数に存在しますが、基本的な戦略はシンプルです。


1役に立つ「報酬の予感」を増やす

2役に立たない「報酬の予感」を減らす


あなたが決めたゴールの達成に役立たない報酬はできるだけ遠ざけ、目標に近づける 報酬だけを取り込む。当たり前といえば当たり前ですが、この2つを愚直にこなすのが 成功への道です。

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物語が重要になるのはこんな理由

狩猟採集民の世界でも変わらず、多くの人類学研究によれば、原始的な部族に は例外なく創設神話が伝わっています。「世界の初期には精霊たちが動物の形をして出 現した」といった物語を仲間たちと語り合うことで、彼らは集団としてのアイデンティをあらためて固めるのです。

他には、世界は神々の劇場なのだと教えるギリシャ神話。入り組んだ人間の心理をシミュレー トさせる「ダロウェイ夫人」のような近代文学。私たちに「もしも」の世界を思い描かせ てくれる「ディアスボラ』などの先端SF。

それぞれの「物語」が私たちに引き起こす感 情の種類は違えど、いずれも世界の複雑さに対して明確なシナリオを提供し、人間の根 本的なよるべなさを解消してくれる点では変わりません。

そんななかでも現代において重要なのは、物語によるアイデンティティの構築機能で しょう。

たとえば、代表的なのは「聖書」です。

西洋の人々が「聖書」のストーリーを心の支え にしてきたのはご存じのとおりで、ある人は「創世記」に自らの起源を求めて安心感を 抱き、またある人はキリストの物語によって「自分はどう行動すべきなのか?」の指針 を手に入れました。

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セルフイメージ「自己像の再定義」の重要性

ランニングに集中したければ「私はランナーだ」と自分を定義し、仕事に集中したけ れば「私は仕事をやり抜くタイプの人間なのだ」と自分を定義する。

目標によってベストなアイデンティティを作り上げていけば、意識的な努力をせずと も私たちの集中力は自ずと最適化されます。

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獣を説き伏せる調教師のスキルが物語

そして、自己の再定義に欠かせないのが、調教師の能力です。


論理の力でアイデンティティを作るのが「物語」の役割でしたが、 獣の力では原因と結果を一貫した流れにまとめあげられません。


これに対して情報を直列に処理できる調教師なら、バラバラな情報をつなげてひとつなぎのストーリーを生み出せます。


1 集中力アップに役立つ新たな「物語」を作る
2「物語」に沿った行動を続けて獣を説得する


「新しい物語」という名の武器を調教師に装備させ、その内容に獣が納得してくれるま で粘り強く「繰り返し」説得を行うわけです。


やがて獣が「新しい物語」を受け入れてくれれば、集中力の低下は限界まで防げるよ うになります。いったんこの状態になれば小手先のテクニックに頼る必要もないため、 その点では集中力アップの究極形態とも言えるでしょう。

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儀式でショートカットできる

基本はやはり「反復」だが、それにはショートカットがある

「物語」のパワーで獣を説得するには、

「儀式」の考え方が、大きく有効になります。

ゆえに、ここまでお伝えしてきた「報酬感覚プランニング」(8ページ)や「儀式スタ ッキング」(142ページ)といった手法は、すべて「物語作り」の手段としても使えます。

というのも、どちらのメソッドも「このイベントが起きたら、次はあのイベントが起 きる」という物語のベーシックな構造を持っており、そのおかげで、日常の作業に明確 なシナリオが生まれ、抽象性を嫌う獣を説得しやすくなるからです。

特定の「儀式」を毎日くり返せば、必ず獣のなかには変化が起きます。

地道に仕事や 勉強をやりとげた事実に獣が少しずつ納得し、「自分は集中力を備えた生き物なのだ」といった新たな物語が脳の深部にインストールされていくのです。正しくアイデンティテ ィを書き換えるためには、「儀式」の考え方が欠かせません。

ただし、「儀式」の効果が出るまでには時間がかかるため、途中で気持ちが萎えてしま う人も少なくないでしょう。

基本的に集中力のベースラインはじわじわとしか上がって いかず、効果を体感しづらい側面があります。

そこで、ここからは、より手軽に新たな「物語」を作り出せる手法をメインに見てい きましょう。

自己像を組み直すためには、あくまで「儀式」をくり返して地道な成功を積み重ねて いくのが王道ながら、そこまでの道のりを縮める方法なら存在します。具体的な方法を 5つ、実践が簡単な順に紹介しましょう。

第4章物語を編む ~セルフイメージを書き換えて「やる」人間になっレベルーステレオタイピング

ステレオタイピングは、「有能な人を思い描くだけでも人間のパフォーマンスはアッ プする」という現象を指す言葉です。

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5つのステレオタイピング

ただし、「儀式」の効果が出るまでには時間がかかるため、途中で気持ちが萎えてしま う人も少なくないでしょう。

基本的に集中力のベースラインはじわじわとしか上がって いかず、効果を体感しづらい側面があります。

そこで、より手軽に新たな「物語」を作り出せる手法をメインに見てい きましょう。

自己像を組み直すためには、あくまで「儀式」をくり返して地道な成功を積み重ねて いくのが王道ながら、そこまでの道のりを縮める方法なら存在します。

実践が簡単な方法から

レベル1/ステレオタピング

有能な人を思い描くだけでも人間のパフォーマンスはアッ プするという現象 を指す言葉です

レベル2/ジョブチェンジング

問題のタスクに対して、自分のに新たな「肩書き」をつける

レベル3/指示的セルフトーク

自分に対して「ひとりごと」を使って自分に指示することで集中力を高める。ただし、自分を持ち上げるセルフトークは使わないこと。

レヴェル4/VIV SMART

診断テストにより自分の強みを把握し「強み」を毎日の目標は作業に活かす方法を考えて、締め切りを明確にして、具体的な内容を計測可能な量を一定期間繰り返すことで現在の仕事の問題点をあぶり出す。

レベル5/ピアプレッシャー

集中力の高い人や生産性の高い仲間の中に入ることで周囲からの圧力を受けられる環境をつくる

ヤバイ集中力/鈴木祐(著)/SBクリエイティブ株式会社